ハーティング、神戸市交通局の新型車両にデータ、信号、電力の全車両間接続を提供

ハーティングのジャンパーケーブルが、2月16日に営業運行を開始した神戸市交通局の地下鉄西神・山手線新型車両6000形の車両間接続に採用されました。

ケーブルとコネクタを組み合わせたデータ、信号、電力用ジャンパーケーブルによる車両間接続用はすべて、ハーティング一社で供給しています。

鉄道の車両間はむき出しになっており、風雨や温度変化、湿気、砂利、振動、電磁波にさらされます。車両間の接続機器にはこれらの過酷な環境からの保護が求められます。ハーティングはコネクタやケーブルを使用した堅牢な接続製品の経験を厳しい環境にさらされる鉄道に生かしています。車両間に使用されているHan®コネクタは、ハーティングが開発し、業界スタンダードになったモジュラー式産業用角型コネクタです。コネクタのハウジングは、標準の産業用の堅牢性をさらに高め、高い防塵防水性、耐腐食、耐電圧、耐電磁性を備えたHPRシリーズを鉄道向けに用意しています。この製品はとりわけ欧米で高い導入実績を有しています。ハウジングに組み込むインサートはモジュラー構造にも対応し、データ、信号、電力用など、用途に合わせてモジュールを自由に組み合わせてカスタマイズが可能です。これにより、従来の丸型コネクタでは単位ごとになってしまっていた複数の接続をコンパクトに集約することができます。

神戸市交通局の新型車両6000形の車両間接続は、いずれもHan® HPRハウジングを使用し、信号、電力、データ用に分けて構成しています。100Mbpsイーサネット用のモジュールを使ったデータ用接続は、4カ国語による乗客案内表示、動画サービスや制御に使用されています。制御回路用などには信号用、主回路用には大電流用のモジュールや一体型インサートを使用しています。

神戸市交通局6000形電車は、地下鉄西神・山手線を走行する6両編成の新型通勤形電車です。新型車両は市民の投票により決定したデザインを採用し、川崎重工業が製造しています。2019年2月に2編成が運行開始し、2023年3月までに現行使用車両全28編成を置き換える計画です。

ハーティングの接続製品は鉄道用電子機器の国際規格 EN 50 155に対応しており、2006年、最初の企業として鉄道業界向け品質マネジメントシステムの国際規格IRIS認証も取得しています。また、試験機関の国際規格ISO/IEC 17 025認定を受けた試験設備を有し、防塵防水、環境・温度、振動・衝撃、揺動、圧縮・拡張、曲げ、EMC試験など、鉄道用に必要な試験を全て自社で行うことができます。

30年以上にわたる鉄道分野の経験から、ハーティングの製品は世界中の鉄道車両で高い採用実績を有し、日本国内でも、鉄道用イーサネットの導入が進む中、イーサネット接続用の車両間渡りジャンパーケーブルを中心に採用されています。長年鉄道業界で培ってきた技術と通信機器からコネクタまでカバーするトータル接続ソリューションにより、鉄道の安全で快適な運行を支援していきます。

神戸市交通局の地下鉄西神・山手線新型車両6000形