ハーティング、パートナーとの協業により顧客に付加価値を提供

ハーティングの当期最初の7カ月間の売上は順調に推移 / デジタル化を推進 / MICA.network拡大 / シングルペアイーサネット(SPE)をめぐるパートナーシップ、顧客メリットを向上 / Han-Eco® BをHan® 製品シリーズに追加
2018年4月23日、ドイツ・エスペルカンプ / ハノーバー発
ハーティングテクノロジーグループは、今年のハノーバー・メッセ見本市(2018年4月23日~27日、11ホール・C15)で多くの主要技術を紹介します。世界最大級の産業見本市のテーマ「Integrated Industry – Connect & Collaborate(産業システムの統合化 – 接続&協業)」に従い、ハーティングの展示ではパートナーシップと協業に重点を置きます。産業システム統合の先導者として、有力パートナーと共に最新の製品とソリューションを紹介します。 「当社はお客様に付加価値を届けるため、デジタル化を推進します。これにはパートナーシップを活用します」と、ハーティングのCEO フィリップ ハーティング(Philip Harting)は述べています。長年のハーティングのスローガン "People – Power – Partnership" から考えれば不思議ではありません。展示会初日に開催される例年のプレスイベントでCEOのハーティングは、同時にデジタル化の重要性を強調します。
デジタル化を推進
ハーティングは可能かつ有意義な分野でデジタル化しています。開発、生産、販売という主要工程に重点を置き、顧客の立場に立って考えながらこれらのプロセスへの顧客の関与を強化します。新たなハーティング デジタルビジネスプラットフォーム(HDBP)では、ユーザはHan®構成ツールで例えばHan-Modular®を構成、設計し、発注することができます。製品はモジュラーシステムをベースにしており、製造ロット1個でも効率的かつ経済的に生産可能で、同日に出荷されます。「このプロセスは極めて効率的で、切れ目のないデータフローに基づいています」と、プレスイベントでフィリップ ハーティングは述べています。ここでは新しい物流センターも重要な役割を担います。現在建設中の欧州配送センター(EDC)は約4000万ユーロと、会社史上、単独では最も大きな投資です。製品は製造後、通常、ヨーロッパでは顧客が発注した同日にEDCから出荷されます。しかしデジタル化を阻む障害も存在します。フィリップ ハーティングは、欧州における国特有の規制、中国の新たなサイバーセキュリティ法、そして世界貿易の保護主義と国益主義の台頭を挙げ、「これらの障害はお客様とのより密接な協力に向かわせます」と、コメントしています。
会計年度2017/2018、最初の7カ月間は順調に推移
CEOは現行の会計年度2017/2018のこれまでの推移に満足の意を表しました。「最初の7カ月間は順調でした。現在は通年で高い一桁の数字の売上増を見込んでいます。場合によってはこれより伸びる可能性もあります。いずれにしても売上は7億ユーロを確実に超えます」。これは2017年末の記者会見で示した予想を少し超えます。当時、ハーティングは5~6%の売上増を予想していました。伸びは事業、市場、製品全体に渡ります。加えて、子会社のHARTING AutomotiveとHARTING Systemsでもプラスに推移しています。
HARTING M12 Magneticsが受賞
ハーティングはこのたび、革新技術賞を受賞しました。専門誌「Elektronik」の読者の間で最近行われた“Product of the Year“の投票で、ハーティングのパルストランス内蔵M12コネクタM12 Magneticsが電気機械分野で2位になりました。この専門誌の読者によって、将来性のある新規のソリューションに対する投票が毎年実施されています。パートナーとの密接な協力: 接続&協業(Connect & Collaborate) ハーティングはブースで、パートナー企業と共同で開発した数々のソリューションを展示します。ハーティング、innogyおよびInfotecsの3社はそれぞれの持つ技術をE-モビリティのエコシステムに投入しています。ハーティングはRinspeed社のコンセプトカー”Snap”で自社の急速充電インフラを展示、innogy社は充電スタンドを提供、そしてInfotecs社は充電スタンドの通信を暗号化します。2台の車を同時に22kWの交流で確実、快適に充電できます。充電スタンドは計測の法規に準拠して稼働しており、課金されるのは使用分だけです。また、innogyのITバックエンドでインテリジェントにネットワーク接続されています。 サイバーセキュリティ・脅威インテリジェンスプロバイダinfotecs社のソフトウェアソリューションはE充電インフラのデータトラフィック全体を保護します。これには充電スタンドとバックエンドシステム間の全通信およびデータ交換も含まれます。個別の従量課金はハーティングのエッジコンピューティングシステムMICA®で充電スタンドから読み取ります。 「ハーティングはE-モビリティ分野に大きな発展・成長の機会を見ています」と、フィリップ ハーティングは述べています。10年以上にわたり培ったデータ、信号、電源におけるノウハウに基づき、当社は現在および近未来の数多くのハイブリッドやE-モビリティコンセプトでVolkswagenグループやBMWのパートナー・ベンダーの1次サプライヤーになっています」。
IGUS社とハーティング:共同エンジニアリングにまで発展したパートナーシップ
接続&協業(Connect & Collaborate)はハーティングにとって、異なる中核技術を組み合わせて共同開発を推進することも意味します。エナジーチェーン とカスタマイズケーブリングシステムの主要メーカーIGUSと産業用コネクタの業界リーダー、ハーティングは正にその分野の技術力を組み合わせて新たなソリューションを開発しました。 両社は標準ソリューションでこれまで協力してきましたが、そのパートナーシップが共同エンジニアリングにまで進化しました。IGUSとハーティングが多くの分野で強く推し進めるモジューラー化の拡大を背景に、IGUSではエナジーチェーンのほぼすべての形状に適合できるコネクタハウジングを開発するというアイデアが生まれました。顧客の関心が高かったため、ハーティングとIGUSはすぐにこのアイデアを具体化し、製品化することで合意しました。ハノーバー・メッセで両社は初めてこの新ソリューションを共同展示します。 MICA®.network、さらなるパートナーが参加 ハーティングは2016年からユーザ組織MICA.networkの枠内でシステムインテグレータやITスペシャリストと協力し、顧客に対してマシン群でデータを使用した効率性向上を可能にしています。エッジコンピューティングシステムMICA®をめぐり27パートナー企業が参加するネットワークは今年、マシンデータとERPアプリケーションを統合するソリューションが主要展示になります。パートナー・ブースでは、信頼に基づく協力の実際の姿が見られます。とりわけ、「ラストマイル」、現場からの工程データへのアクセスがIndustry 4.0コンセプトではしばしば最大の障害になります。「ここではネットワークのメンバーは、その技術力で協力する形で貢献できます。特にスマートソリューションが求められます」と、HARTING Deutschlandのマネージングダイレクター シュテファン オルディング(Stefan Olding)は説明しています
PushPull:クリック音で接続完了
スマートソリューションがアナログでもあり得ることをハーティングはハノーバー・メッセで明確に示します。デバイス接続製品群に、工具なしに挿入するだけでロックし、また簡単に抜くことができる新コネクタを追加してきました。 ハーティングは主にオートメーション市場向けにPushPull V4 Industrialを提供しています。産業デバイスの全てのライフライン、データ、信号、電源の迅速かつ確実なインターフェースです。ロボットなど、とりわけ過酷な要求に対して、そして鉄道用でも、ハーティングはM12 PushPullを提供しています。ケーブルコネクタから、パネルフィードスルーおよび基板接続用の製品まで用意しています。PushPullソリューションは操作が容易、迅速に接続でき、外部からのあらゆる影響に耐えます。クリック音で接続完了します。
シングルペアイーサネット(SPE)の技術パートナーシップ、顧客メリットを向上
ハノーバー・メッセでハーティングは、現在、そして未来のイーサネット通信の製品と技術を紹介します。小型化は産業システムの統合における6つのトレンドの1つです。コンポーネントやマシン全体は全ての産業オートメーション分野で小さくなっています。小型化の限界にまだ達していないため、ハーティングはT1/SPEの開発を推進しています。1ツイストペアケーブルで、高いデータ伝送速度、電源供給、そして省スペース・軽量、全て実現します。これにより、ユーザは将来のイーサネットアプリケーションを新たに考えることができるようになります。ハーティングにとってSPEは重要な技術テーマで、多くの新製品開発の出発点です。「接続&協業(Connect & Collaborate)」に基づき、ハーティングはSPE伝送のソリューションプロバイダとしてLEONI社やロイトリンゲン大学などの信頼できる技術パートナーと協力を進めています。シングルツイストペアイーサネット(SPE)はハノーバー・メッセ2018におけるハーティングの主要展示の1つです。
拡大を続けるHan®シリーズ:Han-Eco® B
ハーティングはHan-Eco®でまた、画期的な製品を開発しました。この高性能プラスチック製のコネクタシリーズは業界スタンダードのHan® Bと完全互換になりました。標準のメタルハウジングで使用される全てのコネクタインサートとモジュールが、対応するプラスチックハウジングにも使えます。プラスチックとメタルバージョンは両方とも嵌合互換性を持ちます。 新機能としては、制御盤の内部、後ろから、制御盤の壁に取り付けられたハウジングに配線加工済みのインサートを差し込むことができます。これまでインサートは前方からのみ組込み可能だったため、ケーブルを制御盤から取り付け穴を通して外に引き出し、その後、インサートを外からハウジングに組み入れるために制御盤の傍らで結線していました。これには電気工事担当者が現場にいる必要がありました。リア取付のオプションにより、接続と制御盤を別々に組み立てることが可能になります。 顧客にコストと時間の節減および付加価値を提供することはHARTING Customised Solutions (HCS)が明言している事業目標です。「ハーティングのコネクタ製品ポートフォリオに基づき、当事業部はカスタマイズソリューションを提供、コンポーネントをある程度まで加工し、施工可能なシステムソリューションを製作します」と、ハノーバー・メッセで顧客に紹介されるHCSのマネージングダイレクター クリスティアン シューマッハー(Christian Schumacher)は戦略を説明しています。