ハーティングの製品、東京モノレールの新型車両10000形のイーサネット接続に採用

ハーティングのイーサネット接続製品が、東京モノレール株式会社の7月に営業運転を開始した新型車両10000形の車上ネットワーク機器向けに採用されました。
東京モノレールの新型車両10000形
東京モノレール 新型車両10000形 車両間イーサネット接続
イーサネットは、新型車両の各種制御信号や監視データの伝送、および液晶ディスプレイによる乗客向け案内サービスに使用されています。
この東京モノレールの車上ネットワークを司る情報制御装置「ATI (Autonomous decentralized Train Integrated system)」のイーサネット接続では、車両間の基幹伝送は4線のイーサネットケーブルHa-VIS EtherRailを蛇腹状のジャンパーに収め、過酷な環境用の保護等級IP 68コネクタHan® HPRで接続しています。車両内のイーサネット伝送路は、IP 65 / IP 67 のM12コネクタとHa-VIS EtherRailケーブルにより構成しています。車両間も含めシームレスにイーサネット接続することにより高い伝送品質を提供し、列車のスムーズな運行や、4か国語表示可能な案内用液晶ディスプレイなど、2020年の東京オリンピックに向けた車内サービスの充実化をサポートしています。
鉄道業界では、用途別に分かれていたシステムを統一のネットワークで接続し、増加の一途をたどるデータ量に対応するため、イーサネットの導入が進んでいます。IEC(国際電気標準会議)で今春、鉄道用イーサネット規格ECN(Ethernet Consist Network)が発行されたことを受け、この流れが加速することが見込まれます。
車両のネットワーク接続は、衝撃・振動や極端な温度、湿度などの環境要因に対応することが必要です。ハーティングは、耐環境製品における強みを生かしてイーサネット接続製品を厳しい環境下にある製造現場や発電設備、鉄道などに提供しており、数多くの実績を有しています。
ハーティングの鉄道向けイーサネット製品は、スイッチから、ケーブル、コネクタまで幅広く揃え、既にアルストム、ボンバルディア、シーメンスをはじめ、世界中の車両メーカーに採用されています。鉄道規格 EN 50 155、そして鉄道産業向け品質マネジメントの国際規格IRISの認証を最初の会社の一社として取得しており、長年鉄道業界で培ってきた技術と通信機器からコネクタまでカバーするトータルソリューションにより鉄道用イーサネットの導入を支援していきます。