砂漠の「魔法の鏡」

「魔法の鏡」(白雪姫)はドイツの有名なおとぎ話です。「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」しかし、スペインの砂漠にある魔法の鏡はこの質問には答えません。そこでは、何千枚もの鏡を使って、太陽の力で再生可能エネルギーを生成しています。ハーティングは、頑丈で信頼性の高い電力・データ伝送用コネクタHanおよびPushPullを通じて、タワー式太陽熱発電所を支援しています。

スペインのシエラネバダの発電所のように、太陽熱発電所は、何千枚もの鏡を使って太陽光をタワーの一箇所に集めます。子どもの頃に虫眼鏡を使って試したことがある人も多いでしょう。太陽光を広いエリアから小さな焦点に集めると、非常な高熱をとても簡単に発生させることができます。いわゆるタワー式太陽熱発電もこれと同じです。最大100ヘクタールの鏡面で太陽光を捉えます。そして鏡を賢く調節して、タワー最上部の一箇所に集光します。最上部には集熱器と呼ばれる、水か油、もしくは硝酸塩溶液の入った容器があります。この液体が1000℃以上に加熱されます。その後、液体は熱交換器に送られ、水蒸気を発生させます。従来の発電所と同様に、水蒸気を使用して従来と同じ蒸気タービンを回転させ、電気を生成します。

コンスタントにエネルギーを生成

この加熱回路は、夜間や日差しの弱い時期には蓄熱によって補われます。蓄熱は、昼間、システムが発電している間に行われます。こうすることで、システムは継続的に絶え間なくエネルギーを生成することができます。蓄熱機構は、硝酸ナトリウム60%と硝酸カリウム40%の液体塩が入った2つのタンクで構成されています。タンクに蓄熱するため、温度が低い方のタンクの液体塩が熱交換器を通って温度が高い方のタンクに送られます。これにより数時間分の熱エネルギーが蓄積され、夜間の発電に必要な熱エネルギーを適切に供給できます。最適なシステム効率を確保するためには、常にすべての鏡の焦点がタワーの集光ポイントに合っていなければなりません。ヘリオスタットと呼ばれる鏡のコンポーネントには、鏡を移動する位置決めドライブが搭載されています。このコンポーネントが太陽の位置に応じて継続的に鏡の位置を調節し、タワーの最上部に焦点を合わせています。各ヘリオスタットがこの役割を果たすためには、電力およびデータ供給用の分電盤が必要です。ハーティングの堅牢で信頼性の高いコネクタは、電力およびデータ用ケーブルに使用され、迅速で安価な修理と改造作業を可能にしています。分電箱を交換するときは、コネクタを抜いて分電箱を交換し、またコネクタをつなぐだけなので、あっという間に作業が完了します。これで鏡のダウンタイムを最小限に抑えられます。

この種の発電所に最適な条件は、日照時間が長く降雨が少ない場所です。長時間強い日差しが降り注ぐ、乾燥した砂漠地帯が望ましいでしょう。スペインのシエラネバダは、理想的な立地ですが、環境条件が厳しい場所でもあります。プラスチック製または金属製のコネクタハウジングとそのシーリング材は、粉塵、オゾン、紫外線に耐久するように設計されています。どんな屋外用途にも言えることですが、コネクタは激しい温度変化に余裕をもって耐久できなければなりません。分電箱は密封され、湿気から保護されています。そして周囲温度が変動する中、たった一枚の薄膜で圧力を一定に保っています。ハウジングの密封性を確保し、安全に電力とデータを供給するため、施設運営者はハーティングのコネクタに信頼を寄せています。Hanシリーズは電力供給に使用されています。正確に鏡を調節するためのデータは、RJ45 PushPull電気コネクタでイーサネット・ネットワークを介して、またはPushPull LC 光デュプレックスコネクタで接続して送信することができます。

分電箱に不具合がある場合に問題となるのは、データ線が直列接続されていることで、最悪の場合、他のヘリオスタットに重要な調節データが適切に供給されなくなる可能性があります。このような理由から、ケーブルはデイジーチェーン接続されています。そうすることで、技術者は修理中に入力と出力のコネクタをつなぎ合わせ、他のステーションに影響を与えることなく、欠陥のあるステーションをブリッジすることができます。

ハーティングの堅牢で信頼性の高いコネクタと、パートナーメーカーの高耐久性ケーブルを組み合わせて使用すると、太陽熱発電施設の運営会社は、ケーブルとコネクタの完全なソリューションを一元的に入手できます。これにより、最適な性能を備えるスムーズで十分に連携されたソリューションが確保され、タワー式太陽熱発電所の環境的、経済的成功に役立ちます。