線路とポイントの修理を支援する堅牢なコネクタ
列車が線路を走行するとき、地面には大きな力が掛かっています。線路は荷重がかかると変形しますが、列車が通過するとしなやかに元の位置に戻ります。少なくとも硬い地面に十分な砂利が敷き詰められた線路なら、これは本当です。ただし、長期的には道床の固体構造が崩れ、しかるべき幾何学的形状と位置が変化してしまいます。
オーストリアのリンツに拠点を置くメーカー、プラッサー&トイラー社が突固め(タンピング)機械などの装置を手掛けるようになった原点はここにあります。これらの機械はレールと枕木から成る軌きょうを持ち上げて位置を整えることで、道床を修復します。さらに大引支持構造が再び安定するまで、枕木の下のバラストをぎっしり詰めます。このために、機械のタンピングツールをバラスト道床に突き刺し、「非同期同圧タンピング法」でバラストを詰め込みます。
ある機種では、タンピング装置が列車車両のサテライトに収容されています。メインの機械が継続的に運転する間、サテライト(リフティングおよびライニング装置、バラストタンピングツールを含む)は周期的に動作します。トラクションモーターは動作中のユニットとサテライト全体を駆動します。牽引に必要な電力は、メインエンジンとサテライト間にあるコネクタを介して伝送されます。
これらの機械の電力供給に必要なコネクタは、特別に堅牢でなければなりません。屋外で使用でき、粉塵や水からコンタクトを確実に保護しなければなりません。さらにフードとハウジングは石の破片からコンタクトを守る必要があります。このほかにも、DIN EN 61 373適合の耐衝撃・耐振動性が必要です。タンピング装置は高電流も必要とするため、プラッサー&トイラーは産業用コネクタHan® 34 HPRを使用しています。これらのフード/ハウジングと保持フレームは、1つのインターフェースに最大4つの650 Aコンタクトを収容します。そのため、市販されている同等のソリューションよりも高いコンタクト/電力密度が達成されます。
プラッサー&トイラーはタンピング装置で世界市場をリードしています。ただし、その機械とサービスは道床のメンテナンスに留まりません。線路の建設とメンテナンスを総合的に手掛ける世界唯一のメーカーと目されています。